陶製南蛮船帯留
¥ 5,500
SOLD OUT
日本の装身具、帯留(おびどめ)です。
立体的な陶製の南蛮船です。16世紀にポルトガルなどから来航した貿易船を南蛮船と呼びました。日本画や陶磁器、帯、着物のモチーフとしても好まれたことから、市井の人々にとっては少しの恐れと強い好奇心によって美しいものと受け止めたのだと思います。通常、陶製の帯留めは凹凸の少ない白磁に彩色で絵柄を表したものが多いのですが、この帯留めは素地自体が立体的なかなり手の込んだ船の造形です。
帯留は、文字の通りに帯を止めるものです。意外かもしれませんが、女性の装身具として浸透したのは明治期以降です。はじめは指輪と同じ江戸末期の文化文政年間ですが、着物の帯が解けないよう固定金具として発生した帯留は、はじめ男性と老女が身に付けるものでした。明治9年の廃刀令をきっかけにそれまで刀装具を作っていた職人が帯留め製作に打ち込むようになったといわれています。実用品から装飾品へと需要が変わっていったものです。直接肌に身に付けるものではないため、様々な素材や意匠が用いられ、現在でも蒐集欲を満たしてくれる装身具です。
サイズ W 4.2cm
H 3.5cm
D 1.1cm
(二分紐が通ります)
素材 陶器
年代 昭和中期